パニック障害の治療法
パニック障害の治療法には、薬物療法と認知行動療法があります。
発症初期や急性期には薬物療法が有効な治療となりますが、急性期を過ぎた場合は、認知行動療法が有効だということがわかっています。
1.薬物療法
パニック発作は薬物療法で100%近くを抑えることができ、発作がなくなることで、予期不安も普通の生活に支障がない程度まで改善されていきます。
パニック障害の薬物治療の原則は、第一に発作を完全に抑えるまで量をふやすことです。
副作用・耐性・依存性が現れないように十分注意を払い、投与量が増えることを恐れて発作を十分抑えられないような中途半端な投与の継続は避けなければなりません。
発作を完全に抑え、予期不安・広場恐怖を防止して、日常行動に変化を生まないようにすることが大事です。
薬物療法で用いられる薬には主に、以下の種類があります。
これらの薬にはそれぞれ特長があり状況に合わせた適切な選択が必要です。
代表的な薬の種類
SSRI
選択的セロトニン再取り込み阻害薬。
新世代の抗うつ剤です。
神経伝達物質のセロトニンだけをターゲットにした薬で、抗コリン作用が少なく心臓への悪影響も弱いので使いやすい薬と言われています。
しかし、吐き気・嘔吐といった副作用がみられます。
日本ではSSRIとして「パキシル」が最も多く処方されています。
SNRI
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬。
新世代の抗うつ剤です。
神経伝達物質のセロトニンとノルアドレナリン両方をターゲットにしているため、広範囲な症状に有効とされています。
副作用についてはSSRIと同様です。
抗コリン作用、心臓への悪影響なども弱いといわれています。
日本ではSNRIとして「トレドミン」が最も多く処方されています。
抗不安薬
脳の神経をしずめて、不安発作を予防します。
また、心因的な不安や緊張感もやわらげます。
定期的に服用するほか、広場恐怖のあるときは外出時に頓服することも可能です。
リボトリールの正式な適応症は”てんかん”ですが、パニック障害の治療にもよく使われています。
三環系抗うつ薬
古くからある抗うつ薬です。
よい効果が期待できますが、副作用がでやすいのが欠点です。
また、効いてくるまで少し時間がかかります。
抑うつ症状があるときに向いています。
2.認知行動療法
認知行動療法は、苦手な場所や状況に自分を置いて、広場恐怖に挑戦し、「行動できたんだ」という学習を積み重ねることにより、誤った考え方を修正していく治療法です。
言葉では、簡単ですが、実際に行動するには非常に勇気が必要です。
今までにも、使用者の立場である医師によって書かれたパニック障害に関する本や体験記等で行動療法を取り上げたものは出版されていました。
それらには、恐怖を感じる場面に段階的に挑戦し、徐々に慣れていくことで不安感を取り除きましょうと書かれています。
具体的な方法としては、電車に乗るのが怖い人は、
初めは駅まで行く。
次はプラットホームまで行く。
その次は、各駅停車に一駅だけ乗る。
そして、ある程度長い時間乗っていることができるようになったら、準急に乗る。
というようなステップを踏んでいきます。
ひとりで行動できない場合は、家族・友人等と一緒に始めるというような方法も良いでしょう。
注意すべき大切なこと
1.行動療法に適した場所や環境を見つけること。
2.克服したいことをはっきりさせる。
3.よくばらずに少しずつ確実に行う。
4.行動は、午前1時間午後1時間のように集中して行う。
5.一つの課題が克服できたら、あまり間をあけず次の課題に挑戦する。
6.練習中に不安や恐怖を感じたら、休憩または中止して無理をしないこと。
